雪柳の夢、豌豆の夢など

調査の後、目の前で汽車が行ってしまい、もう一晩泊まることになる。宿に戻ると玄関で、おじいさまとおばあさまが二人で雪柳をいけている。廊下を通って奥座敷へ向かう途中で、姪がふすまを外して小脇に抱え、これが切符になるというようなことを話す。

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紙箱いっぱいの豌豆を贈られる。皆で作業をしている大きな机の上にとりあえず置いていると、何か動く気配がする。みると数匹の黄緑色の糸蜘蛛が、豌豆の莢の筋のところをさかんに食べている。蜘蛛が食べ進むとかみ砕かれた莢が細かな粉末状になって舞い上がるので、豌豆の山の上に、うっすら緑の霧がかかったようにみえる。霧はみるみる広がっていき、どうやら蜘蛛の数も増えていくように見える。これはきっと、豆の部分にも蜘蛛が入り込んで食べてしまっているだろう、もうこの豌豆は紙箱ごと捨てるしかないけれど、どこに捨てればいいのか、困惑する。

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子供の死体をバラバラにして処分する必要があり、追手が迫っているのでやむなく一部はトイレに流すことにする。内臓部分など軟らかいところを砕いたものなので、詰まりはしないだろうが、量があるため一度では流れない。レバーを回して何度か水を流していると、一緒にいる甥がなぜそんなことをするのかと聞いてくる。いったん水を流すと、タンクに水が溜まるまでは次に流すことができない。焦る気持ちで待っていると、座るところのちょうど下のあたりから、小さな子供の手が見える。甥がそれをみつけて、助けようよ、引っ張ればでてくるよ、と言うのだが、私は怖くてそれどころではない。

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学生がトラブルに巻き込まれたので、話し合うため一緒に雇い主に会うことになる。なんとその雇い主は、私が若いころ関係があった人が、私の前に関係をもっていた政治家の女性だった。彼女は私の過去のことを知っていて、それを遠回しに示して圧力をかけてくる。私は怒りを覚えながら、脅える心を落ち着かせて、もし彼女がすべてを公に訴えたとしても、私はそれで恥ずかしく思ったり怯んだりすることはないのだたと自分に言い聞かせる。

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