位置情報端末を埋め込まれる夢

大学病院の廊下を中学校からの友達と一緒に歩いていく。友人はその病院に勤めていて、私が健康診断の精密検査でやってきたので、仕事の合間に話をしに来てくれた。

待合室の入り口に近い、廊下の壁に取り付けられた細長い台のところで、どの受付に行くべきか、友人と一緒に書類を確認していると、看護師のような制服をきた若い女性が近付いてきて、何事かはっきり聞き取れないことを言いながら、私の左の手の甲にハンコ注射のような針を刺した。渡されたパンフレットをみると、政府の方針で、皮膚の下に位置情報を管理するためのICチップが埋め込まれたようだった。びっくりして抗議するが、その職員の女性は日本語が不自由で、研修生の名札を下げており、意志の疎通が難しい。続けて私の右の甲にも針を刺そうとするので、あわてて振り払う。

不安と怒りがこみあげ、大きな受付まで歩いて行って、同年代くらいの看護師さんに抗議する。理路整然と話したいけれど、あまりに怒りが大きいためか、水の中を歩くように、うまく話せない。ろれつの回らない言葉で、これがいかに不条理な行為なのか、一刻も早く取り外すようにと訴えるが、いったん埋め込んだ端末は、もう取り出すことができないという。私はさらに訴えるが、目の前の看護師の女性はあきらかに面倒だという様子を示して、私のたどたどしい言葉を聞き流していることがわかる。ついには、自分は母親の介護をしているが、母親がきちんと家にいるかなど、仕事中も位置情報で確認できて便利だと言い始める。

あまりの怒りで言葉を失いながら、とりあえず友人のところに戻ることにする。待合室への道を聞いても誰も教えてくれず、見放された思いで急ぎ足で廊下を行く。患者用の小さなエレベーターを見つけるが、ちょうど閉まったところだった。友人を待たせているので急がないとと焦りながら、その裏にある大きなエレベーターに乗ると、半屋外の工事現場のようなところに出てしまう。とにかく急いで足場や機材の間を抜け、なんとか最初にいた待合室にたどり着く。

どうやらかなり長い間待たせてしまったようで、足を組んで雑誌を読んでいた友人は、やっと来たというような表情で顔をあげ、二時から診療があるのでそれまでしか時間がないという。まず食事をしようと言ってみるが、午前中の診療がそろそろ終わってしまうから、まず私の診察を受けた方がよいということになる。急いで受け付けしようとするが何科にいくべきかわからない。腎臓の値の話だから内科だということになって、それならここではなく隣の建物だと小走りに急ぐ。

***

暑さと湿気のせいか、夜、渋谷の道の真ん中で失神してしまい、心配になっていろいろ病院のサイトで説明を読んでいたので、こういう話になったのかもしれない。

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